凹こみを直す目的で貼られていた紙粘土・新聞紙を剥がした結果、「ぺこ」の原型は久野充浩氏が所有している久納良右衛門(明治末期生まれ)作の猩々の頭と同じもので、同一の型を用いて久納良右衛門によって作られたことがわかりました。他に同じ型を使って作られた兄弟猩々は、星崎の呼続神社、井戸田の津賀田神社の祭礼で登場します。 |
Fig.7 修理途中の前面 |
久野充浩氏の話によると、久納良右衛門作の猩々は昭和初期のものがほとんどで、「ぺこ」もその頃に作られたのではないかとのことです。久納良右衛門作の猩々には作成月日が書かれていないことが多く、「ぺこ」にも書かれていませんでした。 |
衣装は現在のものが2代目で以前は黄色い格子柄のものだったそうです。籠に関しても久納良右衛門作の他の猩々に比べると明らかに大きく、形状も異なっています。
おそらく以前に大修理が行われて、その際に顔の張り直し・籠の編み直し・衣装の新調が行われたのだと思われます。 |
Fig.8 久野氏所有の頭部原型と
「ぺこ」の頭部との比較 |